八丈島は温泉の島である。三原山の根元の中之郷、末吉には、いくつもの温泉がある。町営の公衆温泉だ。女の人たちは、温泉には目が無い。緊縮財政のツアーだからレンタカーは借りていない。どうしよう。
八丈町役場の山越さんが、温泉ツアーの車つきガイドを引き受けてくれた。山越さんに水産大学潜水部50周年で出会ったのが、八丈島への20年ぶりの訪れの始まりだから、甘えてしまう。
温泉は、みはらしの湯、やすらぎの湯、ふれあいの湯、浦見が滝温泉、スパ・ザ・BOON、足湯きらめき である。
まず、みはらしの湯に行く。みはらしと言うのだから、当然露天がある。露天から海が見下ろせるのだが、なぜか、湯の半分くらいまで、柵が作ってあり、みはらせなくなっている。聞けば、下に町営住宅を作り、住宅からみはらせてしまうために柵を作ったそうだ。
みはらせる半分の方に移動して、長湯をしたら、のぼせた。
一日とばして、5日には、あしたばソフトアイスを食べ、みんなは水着で入れる浦見が滝温泉に行ったが、僕は水着を忘れて入れず、やすらぎの湯に行った。それぞれ趣向が変わっていて面白い。足湯のきらめきにはみんなで入ることが出来た。
八丈島観光も悪くない。町役場も頑張っている。これは住民課課長の山越さんへのお礼の言葉。
しかし、聞けば、僕の知っているところがずいぶん倒産し、消滅している。八丈島に近づくとまず目に入る、白亜の趣味の悪い建物、八丈島ロイヤルホテルも廃墟に近くなっている。40年前、八丈島でスピヤフィッシング大会をやった時、このホテルの後援で、みんなでここに泊まった。
もう一つ、南国温泉ホテルもの何回か泊まった。俳優の千葉真一さんのジャパンアクションクラブの撮影をした時にも泊まった。これも倒産消滅した。
足湯のきらめき温泉の下は藍ヶ江港、ここも良いダイビングポイントで、岸からエントリーすると、目の前の岩礁の下の洞を潜り抜けて外に出られる。岩礁がバリアーになっているので、波が高くてもエントリーできた。今は立派な港になり、岩礁の上がコンクリートの岸壁になっている。岸からエントリーできるポイントでは無くなってしまった。せめて、岸壁の下になってしまった岩礁の洞だけでも残してくれていたらと思うのだがどうだろうか。その立派な漁港に、小さなカヌー型の漁船が一隻だけあげられている。停泊している船は無い。日本の土木水産行政の疑問の典型だろう。
とにかく、人は変わり、時代も移ってゆく。今後のことを誰かがどこかで考えてくれているのだろうか。どうなるのかな。