事務所に歩いてくる途中の公園の木々をいつも見上げる。
今の季節ならば、海藻が一番元気の良い季節。海藻を追って調査をしていた仕事が昨年の三月で無くなってしまった。次の仕事が見つかっていない。日本水中科学協会に集中しているので、次の仕事を見つける営業に行く時間もない。今の日本、そして僕の勢いでは、営業に行っても仕事はない。仕事は作り出さなければ無い。
1月9日
1月18日
1月20日
海藻を見ないで、公園の木々を見上げている。でも、なんとか2月には、海藻を見に行こう。
その公園の道路に近く、「こなら」という木がある。きれいな紅葉から、葉が次第に落ちて、残り少なくなった。次に芽吹くのはいつごろだろうか。海藻ならば、わかるのだが、陸上の木はわからない。多分、3月の後半だろうか。歩く道の真上に枝が張り出しているから、また写真を撮ろう。
クライブ・カッスラーのダーク・ピッド・シリーズを読んでいる。ダーク・ピッドとの付き合いはずいぶん長い。1970年代だったと思う。NUMA というアメリカの海洋調査機関のダイバーだった。ダイバーだけれど、空軍士官学校を出ていたりして、007の何倍かの能力のあるスーパーマンだ。NUMAも架空の機関で、大統領直属のような組織で、何でも解決する。現代の海のSFである。
ダーク・ピッドと僕との繋がりは、ドクサというブランドの時計を持っていることだった。1970年代に小説の題名は、たしか「タイタニックを引き上げろ」だったと思う。読んでいるときに、ミナミスポーツに勤めていた、友達の長谷川君(後に重役になって引退したが、そのころはまだ若い主任クラスだった)から、ドクサというスイスの時計屋が日本に進出するために時計のサンプルをくれた。ロレックスよりも安いが、セイコーよりは高い時計である。「ダーク・ピッドもしている時計だから」と試用を頼まれた。僕のスポンサーはロレックスだったから、もらってはいけないのだが、オレンジ色の文字盤で、ごつくて格好が良かったから、もらってしまった。10年ぐらいつかってから水没した。気に入っていたので、修理したかったのだが、修理代が高くてあきらめて、ロレックスにもどった。
本屋で新刊のダークピッドものが売りだされていて、手にとった。ダークピッドは、NUMAの長官クラスに出世していて、息子とか娘が活躍している。でもまだ現役らしい。
懐かしいから買いたいと思ったが、まてよ、70年代から、今までの中間をブックオフで探して見よう。そのあとで、今の新刊を読めばいい。あるいは読まなくても良い。
「アトランティスを発見せよ、上下」をブックオフで210円で買った。これは、2001年の話になっている。
話そのものは、荒唐無稽な話だが、面白くよませる。しかし、あいかわらずダークピッドは、スーパーマン過ぎる。
第二次世界大戦の終にナチスの残党が、ドイツに財産をかき集めて、ドイツを脱出してアルゼンチンで巨大な財閥になっている。その財閥は、ナノテクノロジーを駆使し、遺伝子操作もした科学財閥である。第二次世界大戦の、当時の最新型だったUボートを使って、南極で、NUMAの砕氷調査船をしずめようとする。危機一髪でアメリカの原子力潜水艦が現れて、Uボートを撃沈する。その撃沈されたUボートの探索に、南極にダークピッドが潜る。そんなすごい話だが、ダークピッドは、まだドクサの時計は使っている。そして、ドライスーツにはDUIの200シリーズを使っているとか。頭休めには良いから、もう少し読んでも悪くない。
でも、どうもダークピッドというスーパーマンが、どういう人なのか浮かび上がってこない。