GoProの撮影術を書いているが、下書きではなくて本格的企画書を書かなくてはならない事態になってしまった。企画書を書いてから、下書きにもどるというのもおかしいのだが、そうすることにして、少し停滞する。
代わりと言うことではないのだけれど、月刊ダイバーに書いている「ニッポン潜水グラフィティ」のために写真を集めていると、面白い写真が出てくる。面白いけれども自分が関わったことではないからグラフィティには使えない。
水中脱着の写真だ。
最初、学生の実習かと思った。よく見ると海女さんである。海女さんがアクアランクの講習を受けて水中脱着をやっている。機材を見れば間違いなく1950年代のものだ。
驚いた。
誰が何のためにこの講習をやったのだろう。この写真は東京水産大学漁業科の同級生竹内教授のところから借りてきている。竹内教授の師、神田献二教授のコレクションだと思う。神田先生は、僕の恩師、宇野先生とともに、1954年からアクアラングの講習をやっている。そして、1957年に生まれた日本ダイビング協会創立の中心メンバーの一人でる。
何かのことで海女さんの講習をやったのだろう。海女さんがアクアラングを使って漁をすることはありえない。とすれば、資源保護のための漁場管理に使おうとしたのだろうか。1950年代はまだアワビの種苗生産は行われていないから、種苗放流のためではない。種苗生産が行われるようになってからは、僕が、房総の男の海士さんにアクアラング講習をしたことがある。それは1979年代のことだ。
1950年代の海女さんのアクアラング講習は謎だけど、神田先生は、早くに亡くなってしまっている。
とにかく、1950年代は、なにもかもが始まった時代である。