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2012年 12月 17日
何かを書こうとしたとき、まず結論を先に書いて、その理由を述べてゆくスタイルと、周辺のこと、沿革を書き綴って、最後に結論に到達する書き方がある。僕は後者の方であり、まずはそのことの始まりから、歴史から紐解かないとすまないという因果な性だ。曰く、「僕の基本教養は歴史である。」などという。リブリーザーの話も、その始まりから書きたくなってしまっている。
しかし、リブリーザーについては、今考えている結論を先に書き、それからその沿革を書き、体験を書いて、再び結論に達した方が良いだろう。注目を浴びていて、質問されることも少なくない。 現在使用されている潜水機でもっとも安全度が高いのは、ホースで送気してデマンドレギュレーターを付けたフルフェースマスク型で、ホースからの送気と背中に背負ったタンクと二系統の空気供給を受け、しかも電話機で連絡がとれていて、船につながっている。プロが行うほとんどの潜水作業は、この方式、このシステムで行われる。次に安全なのは、送気式のヘルメット式、軽便マスク式、だろう。その次にオープンサーキットの僕たちのスクーバが来る。最後がリブリーザーになる。一番危険な潜水方式であり、よほどのこと、よほどの必要性がなければ、プロが使うことはまず無い。よほどの必要性とは、主としてプロのカメラマンであり、軍事目的である。 スポーツリブリーザーは、これをレクリェーションダイビングに使おうとするものである。機材のスペックを見る限り、僕の体験した、そして、危ないと思ったリブリーザーの問題点の大半を自動化で解決しているように読み取れる。しかし、僕が自分には危ないと思った重要な点は解決されていない。危ない順位では潜水機中で最高位であることに変わりはない。それは、運用の問題点、つまり使い方の問題、技術的なむずかしさ、安全のためのコストにかかわってくる。物事の正否は、結果でしか決定されない。予測はあくまでも予測である。しかし、僕がここまで危険な潜水を繰り返しながら、生き延びている理由は、常に潜水は危ないことであるという自覚、常に最悪の事態を予測していたからだと思う。予測は楽観的でない方が安全度は高い。 レクリェーションダイビングでリブリーザーをやろうとする人は、自分の余暇時間のすべてと、余暇に使えるお金のすべてを注ぎ込む覚悟が必要である。僕がリブリーザーをやめた理由は、潜水を職業としていて、職業に役立たない潜水機に余暇のすべて、使えるお金のすべてを注ぎ込み続けることができないと予測したからであった。ダイビングのために使うお金があっても、そのすべてをリブリーザーに注ぎ込む余裕が無かった。リブリーザーそのものは魅力的であり、未だ、完全にはあきらめ切れていない。もしかして、スポーツリブリーザーが使えればと狙ってはいる。 さて、 この絵は、米国海軍のダイビングマニュアルから写し取ったものである。右側がスクーバの始まり、左側が送気式、ホース潜水のはじまりであり、どちらの生理学的にあり得ない嘘の絵である。しかし、紀元前から人はこんなことを考えていた。右側は、袋の中の空気を呼吸している。つまりリブリーザーの元祖である。こんなことを実験したらたちまち出来ないことが証明されてしまう。だから、紀元前の潜水機はすべて、夢の話である。ジュールベルヌのSFの祖先であり、実現する潜水機の祖先ではない。 実際に、袋の中に空気を入れて吸ったり吐いたりして潜れるものだろうか。呼吸する空気の中の炭酸ガス濃度が2%になると炭酸ガス中毒になる。2%だから、たちまちのうちである。炭酸ガスの濃度が上がると、新しい空気が吸いたくなり、狂おしいばかりになる。潜水中であれば、「ウワーッ」と叫んで、水面に飛び上がる。この衝動を止めることは出来ない。人間は、酸素が含まれない無酸素の気体を呼吸するとたちまち脳が不可逆性のダメージを受ける。そのことを防ぐために、酸素が無くならない前に、炭酸ガス濃度が上がると、呼吸せずにはいられなくなる。それが水中で起これば、死ぬより前に酸素をもとめて水面に突進する。水面に上がるのが間に合わなければ、水を吸い込む。これも肺にダメージを受けて死んでしまう。いわゆる溺死、溺水である。この危険性は現在の最新型のリブリーザーでも同じである。炭酸ガス吸収剤の能力が落ちて、炭酸ガスが袋の中にたまれば、今も昔も人間は水面に飛び上がるか、水を呼吸する。 何万人に一人とか二人とか、炭酸ガスの刺激に強い人がいる。酸素を補給せずにそのまま呼吸を続ければ、酸素不足、無酸素商で命を落とす。 二酸化炭素の蓄積、ハイパーカプニア(hypercapnia)と、酸素欠乏症、ハイポキシア(hypoxia)は、リブリーザーの宿命である。 原始時代の想像図から、とにかく使える潜水機になるまでの道筋をここで書くことは意味がないし、時間もない。とにかく、人間の肺と袋との間に炭酸ガス吸収材を置いて呼吸の通路で炭酸ガスを吸収して取り除いてしまう。そして、足りなくなった酸素を加えてやれば、潜水機が出来上がる。 人間が本来生きられない水中に入って行く道筋は、死屍累々の道筋だったのだろう。これは、どの潜水機でも同様であるが、とりわけリブリーザーではたくさんの命が失われたはずである。炭酸ガス吸収剤として一番原始的なのは苛性ソーダである。この薬品は水に触れると沸騰するように膨張して吹き上げる。これを飲み込めば肺が焼ける。そして、炭酸ガスに触れればどんどん炭酸ガスを吸収して、最終的には吸収能力を失う。この残っている吸収能力を測定する手段は無かった。昔はともかく、今でもだいたい何時間ぐらいとか、アバウトの世界である。加える酸素もどのくらい加えればよいのかわからなかった。準酸素を使用すれば、呼吸袋の中も肺の中も純酸素で満たしてしまえば、体が消費するだけ、加えてゆけば良い。こうして、最初の使える酸素呼吸器、潜水機が出来上がった。ここでも、些細な歴史は省略する。派手な実用は第二次世界大戦であった。
by j-suga1
| 2012-12-17 18:49
| リブリーザー
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