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2013年 04月 02日
フェイスブックに書いた。
テープの取り込みをやっていて、インドネシアの宝探しのテープをみていた。simple is best というけど 、これは僕が一緒に潜った潜水機で最もシンプル。マスクにホースがついているだけだ。現地ダイバーはこれで30mまで来る。 その反応 「まさかの鼻呼吸、ある意味興味ある~」 実は潜水は鼻から呼吸が多かった。一世を風靡した大串式のマスクは口の歯で弁を噛んで開き、マスクの中に噴出する空気を鼻から呼吸した。伏龍特攻の潜水機も鼻から吸って口から排気管に息をはいた。口から吸って口に吐くのはスノーケルの使用以来のこと 「Simple is the best.という言葉もありますが...怖いと思うのは私だけでしょうか...?」 機械は複雑になり部品点数が増えるほど、故障の確立も高くなり、メンテナンスも時間とお金がかかる。マスクとホースだけの潜水機は壊れるところがない。もっとも安全な潜水機かもしれない。インドネシアは広大な海洋国家で、島々にすんでいる漁師は本格的なウミンチューである。主にナマコを獲るのだが、小さな漁船に乗って、島から島へ、漁場を変えて漁をする。一か月くらいもどらない。魔水とお米だけを積んで、獲った魚とごった煮の雑炊をたべてすごす。 「つまらん突込みで恐縮ですが、ひょっとして 自転車の空気入れか、 足踏みポンプとか、使ってそうな匂いを感じますが、実際には 如何なのですか?」 漁船はディーゼルで走るから、コンプレッサーも廻して、大きな貯気タンクから、4本も5本もホースを出して潜る。マスクにホースだけの潜水機はフリーフローの潜水機だから、手押しポンプではむしろ無理。空気袋が付いた日本のマスク式(旭式)は、自転車の空気入れの兄貴分ぐらいのポンプで潜れるように工夫をこらしたせんすいきだった。 ところで、宝、この場合は陶磁器だが、ジェットで砂を吸い上げて掘る。インドネシアのマスク式ダイバーは、オーバオールを着て、ビニールの靴を履いて潜る。陸でもこのかっこうだ。しかし、彼らはマンディ、水浴びが好きで、真水の水浴びができないと反乱がおきる。重いタンクを背負ったスクーバダイバーよりも、動きが軽く効率がよい。かれらは、スクーバタンクは使おうとしない。 ちなみに、サルベージボートは400トン、タンクの充填はコックをひねればできる。再圧室も積んでいるが、ちょっとした減圧症に日本人のチーフがかかったが、再圧室がめんどう、水もあたたかいので、ステージを降ろして、3時間ぐらいのふかしをやって直した。 2001年 インドネシアでの宝探しの撮影をしたテープだ。ディスカバリーチャンネルに売り込んで、テストテープを撮りに行った。その時、僕の預金通帳はゼロに限りなく近く、これが起死回生だった。しかし、現地に到着した時、プロデューサーから断りの通知がきた。東京のこちらのマネージャーが、僕は実費がでれば、あとにつながるのなら、サンプルテープは高く売らなくても良いといっておいたのに、しっかり請求してキャンセルになったものらしい。相手は、僕が言っていた金額と大幅に違ったので、不信感をもったらしい。だから、実費もでなかった。しかし、今このテープを見ると、迫力がある。これを見てNHKが特番にしたいと言ってくれた。宝探しに賭ける男、宇野澤徳太郎のヒューマンドキュメンタリーで売り込んだ。これならば、宝がでなくても成立する。しかし、その企画が進行している時に、宇野澤がガンにたおれて死んでしまった。今はもう、テープは夢のかけらだ。 ディスカバリーチャンネルで、潰れたサンプルテープのディレクターは、羽仁進さんの娘で、羽仁未央さんだった。彼女は今どうしているだろう。そして、すごいダイバーだった宇野澤の息子さんも、この話は、HP須賀次郎の潜水にも書いている。
by j-suga1
| 2013-04-02 20:10
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