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2013年 09月 22日
http://www.nikon.co.jp/news/2013/0919_aw1_01.htm
水深15mの防水、2mの耐衝撃性能を備える世界初の防水・耐衝撃レンズ交換式デジタルカメラ「Nikon 1 AW1」を発売 のプレスリリースだ。 フェイスブックでこのカメラをけなしたけれど、もう一度ブログで本格的に検討してみることにした。けなすのは、世界に冠たるニコンを惜しむ故だ。僕はまだ、ニコンFを大事に持っている。時々シャッターを押してフォーカルプレーンの走る音を聞いて、まだ生きているな、と安心したりする。 なお、ここに述べることは一般論ではない。プロのダイバーとして、長い間ニコノスのお世話になった僕の独断と偏見による評である。もっとも、評と名が付けば、独断、偏見にきまっているが。とにかく、こんなものをつくっていたのでは、ニコンもカメラメーカーとしては終わりである。終わりと言っても日本の誇るいくつかの有名企業も終わってからのたうちまわっているようだけれど、その理由は、チャレンジ精神を失って、世界をリードする製品を生み出さなかったからだとおもう。今ウエアラブルカメラのGoProにこだわっているが、本来ならばソニーあたりが作らなければいけない製品だった。ソニーは、今もって、プロが使うビデオカメラでは、先頭を走っているがそれもそろそろやばくなってきている。高い金をもらって旧態依然とした考えしか持たない技術者集団だから、当たり前の製品しか生み出せない。聞けば、GOPROは食い詰めたサーファーが、親戚一同を集めて作った会社だという。 ニコンと言えば、世界に先駆けた水中カメラニコノスを作った会社である。ニコノスを持っていれば、世界の海でうらやましがられた。僕もハウジングを作って商売をしていたから、その意味ではニコノスは、仇だが、ニコノスがあったからからこそ、日本人ダイバーは、水中銃をカメラに持ち換えることができた。一緒に並んで生きてきた先輩の益田さんは、ニコノス一刀流という言葉を編み出した。どういうことかというと、まだ、15mmとか20mmのニコノス超ワイドレンズが無いころ、28mmレンズを付けて、益田さんが構えれば、どんな角度からでも、狙った魚は画面の真ん中に入り、被写体との距離は1.5mになる。一眼レフファインダーもなければ、TFTもないからこそ、一刀流なのだ。 いつもの僕の悪い癖、まえがきが長い。 さて、今度のニコノスではない、「Nikon 1 AW1」(日本語では何と呼ぶのだ。ニコン、ワン、エーダブリューワンか、)略してワンということにしよう。 多分、オリンパスのタフ2を意識したカメラだろう。TG-2は、鈴木あやのの写真展がオリンパスギャラリーであったので、そこでみた。なお、あやの、はこのごろ身内のように思っている福田君の嫁だから、身内の嫁にあたる。跳ねても飛んでも可愛い。跳ねたり跳んだりだけではなくて、成功してもいる。オリンパスにはお世話になっているみたいだけど、そのことを割り引いても、このTG-2は、買っても良いと思った。水中で、僕が、ということは、たいていのダイバーが要求するようなことはすべてできる。値段もこなれてきて、本体が最安値で29400円、45m防水のプロテクターが30000円、フィッシュアイコンバーターが14400円、計、74200円弱で水深45mまでの一般的撮影ができる。買いたいけれど買わない。別のカメラを持ちすぎている。それで仕事は十分にできる。いま70000を出すのならば、フィッシュアイの新しいライトを買う。それも無くても仕事が出来るから、優先順位が低い。でも、今の一眼レフが水没したら、今度は一眼レフを買わずに、このTG-2を買うだろう。 TG-2の欠点は、プロテクターの外観がチャチである。この前、優れたNAUIのインストラクターの横山さんが僕の調査を手伝ってくれた。その時D環にぶら下げていたが、安っぽい素人持ちのコンデジに見えた。よく見て、ああ、買っても良いと思っているTG-2だとわかって、ちょっとほめた。 そのTG-2をターゲットにしているのが、ニコン、ワンだ。 「水深15mの防水、2mの耐衝撃性能を備える世界初の防水・耐衝撃レンズ交換式」どこが世界初なんだろう。水中でレンズ交換ができるのかな。防水レンズというから出来るのかもしれないが、できたとして、水深15mだ。TG-2のようにプロテクターで、45mまで持って行ったとすれば、水中でプロテクターの中のレンズは変えられないから、ダイバー的には無意味だ。2mの耐衝撃性は良いけれど、身長よりも高いところへ持ち上げて落とす馬鹿もいないし、階段から落とせば2mでは間に合わないだろう。 あと、三つの水中モードとか、いろんないいところが書いてあったが、そんなものは、アメリカか中国の基板メーカーが作ったものを選んで入れているのだろう。今のカメラは中の電子部分はそんなものの組み合わせだ。大事なのはレンズと外側なのだ。 そのレンズだけど、水中でズームができるこの軽いカメラで動画でズームを打つのならば、三脚が必須になる。つまりズームなんて必要がない。水中で必要なのはワイドレンズだ。10mmのワイドが、ニッコールであることは、ネームバリューはあるが、42000円だ。カメラの値段かと思った。TG-2のボディは30000円だ。画角は77度と中途半端だ。90度以上なければ、水中では、ワイドとして使えない。誰が、77度に42000円を払うのだ。その上で、プロテクターにワイドアダプターを付けるとすれば、オリンパスに勝てない。 ポップアップ式のストロボが水中で使えると威張っているが、多分、このストロボのために、耐圧に苦労したのだろう。これも15mまでだから、プロテクターに入れればポップアップの意味はない。すべて陸上人の発想だ。陸上の発想で水中カメラを作ることがまちがいだ。ごく少数のダイバーなど相手にしないというならば、三つの水中モードだとか、水中カメラ風のことを言うな、といいたい。 残念ながら、オリンパスに勝てない。僕がニコンの応援をするとして、どうしたら良いのか途方に暮れる。 冒頭に掲げたのは1963年に発売当時の、日本潜水科学協会(水中科学協会ではない)の機関紙ドルフィンの、裏表紙広告だ。日本光学は、東京のダイバー人口、600人全国でも1000人あまりのダイバーをターゲットとして、このカメラを作った。もちろん、ダイバー以外でも漁師も、水辺の活動をする人たちは使っただろうが、ターゲットはスクーバダイバーだった。今、30万人のダイバー人口相手にチャレンジャブルなカメラをつくれないのだろうか。 耐圧は50mだ。僕は馬鹿だから、これを60mまで持って入って使ってみた。益田さんはもっと馬鹿だから、80mまで持って行ったらしい。本人が言っているのだから、多分、窒素酔いにぼやけた頭でも70mは行っているだろう。僕は70mと80mの大きな差を知っている。死ぬか生きるかの差だ。50mを超すと、巻き上げがスリップして、3枚に一枚程度しか撮れなかったがとにかく写真は撮れた。 実はこのニコノスの原型は、ジャック・イブ・クストーが作ったカリプソという名前のカメラである。オーリングというものは、抜群の気密性を持つものだが、筒に軸を通すような使い方が本来の使い方である。普通のパッキンのように圧着する方法はちょっとしたゴミで漏れてしまい、信頼性がない。このカリプソは平べったく変形させた筒のような筐体(容器)にカメラ本体を差し込み、レンズを取り付けることで固定するオーリング本来の使い方をしている。 日本光学では、このカリプソのパテントを買って、これに世界に誇るニッコールレンズを付けた。35mmF2.5 のワイドレンズは陸上のニコンに使われた評判の良いレンズだった。しかし、陸上用のレンズだから、水中で使うと周辺にはわずかな歪みがあり、それに35mmというのは陸上でこそワイドだが、水中では物足りない。しかし、とにかくニコンである。陸上でも水中でも使うことができた。 レンズは水中での歪みを改善して、UWニッコール28mmのレンズが出来た。このレンズは水中では歪まない代わりに、陸上では歪む。水中専用のレンズだった。28mmは、水中ではワイドとは言えなかったが、ニコノス一刀流で撮れば、シャープな写真を撮ることができた。ピント合わせは目測であり、ファインダーもスポーツファインダーで、職人的技術が要求され、これがまた面白かった。 Ⅰ型とⅡ型のニコノスはこの形であり、とにかく丈夫であり、その上に水没もしなかった。オーリング本来の使い方をしているからである。フィルム交換のために本体を筐体から引き抜くためには両側の梃子を使うが、僕のⅡ型は、この梃子がすり減るほど使ってもまだ水没はしなかった。 当時の日本光学には、かなり熱心なダイバーのチームが出来て、後藤道夫の真鶴ダイビングセンターで、よく顔を合わせて歓談した。伊藤さん、津久井さんの名前を憶えている。 ※ニコノスⅢ型も円筒形シールでした。僕はⅡ型を長く使っていて、Ⅲ型のことをわすれていたものです。JAUS理事の久保君に指摘されて気が付きました。そういえばⅢ型まで円筒だったと。ともかく、このシールほうほうがクストーが考えた、ポイントで、この方法を捨てたことで、ニコノスは水漏れの多いかめらになりました。 ところで、ニコノスⅢ型は、このダイビングチームがいるくせに、円筒形のシールを止めて、裏蓋開閉式にした。たちまち、水没がはじまった。Ⅳ型も機能的に評判の悪いボディだったが、Ⅴ型になり何とか使えるようになった。このⅤ型にUWニッコールの20mm(画角はおよそ90度)が僕のレンズとカメラで、僕のほとんどのリサーチ潜水ではこのカメラを使い、そのころ大型展示映像(3D,とか、全天周映像)をフィルムシネカメラで撮っていたが、この時には露出計代わりに使った。撮影しようとする対象を露出をはかりながら撮影しておく。このフィルムを現像して見れば、露出の適正がとれる。このカメラでも水没は多く、5台ほど沈没したが、保険で新替えをしてもらった。やがて、保険会社が僕のニコノスを引き受けなくなり、その後慎重に扱って水没は無くなった。 水中撮影はある意味で戦争であり、メインのビデオカメラは高価なので慎重に扱うが、ニコノスは消耗品扱いだった。 僕がニコノスを企画するとすれば、この90%水没しない筐体を利用して、耐圧100mのカメラを作る。レンズは画角90度以上、ワイドとしては120度を用意する。今のGoProと同じ画角であり、しかもニッコールである。今のデジタルカメラはフィルムかめらのようなメカニカルな機械ではない。コンピュータである。どうせユニットだから防水にしておくこともできる。 テクニカルダイビングで、トレーニングをすれば、100m潜ることは難しくない時代に入る。100mまで本当に潜れるのだから、耐圧は200でも良い。この形ならば、200mは大丈夫だろう。くれぐれも、ポップアップストロボなどとくだらない機構にこだわらず、人工光はライトでいい。どうせ動画がメインで、静止画は切り出す。TFTも小さくて良い。ただ一筋、水没しない、水没しても多少ならば大丈夫、 耐圧200m世界初、ニコノスX 「水深15mの防水、2mの耐衝撃性能を備える世界初の防水・耐衝撃レンズ交換式デジタルカメラ「Nikon 1 AW1」を発売」チャレンジャブルではない。それに、ニコノスから撤退しておいて、オリンパスが売れそうだからと言って、こんな中途半端なカメラで水中などと言わないでほしい。 そのうちに、GOPROに200mカメラを作られてしまう。 それから追いかけても遅くはないだろうが、先にやった方が勝ち出し、日本のテクノロジーが泣く。
by j-suga1
| 2013-09-22 07:19
| 撮影
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