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2016年 05月 30日
ダイブコンピューターとテーブルについて、書き続けている。 難しい理論は自分でもよくわからないし、読者もわからないだろうという前提で運用を中心に考えている。
ダイブコンピューターの進化を見ていると、生理学的なファクター、心拍数、皮膚温などを減圧計算に統合しようとするものが現れた。その効果のほどはまだわからないが、パーソナルな方向に進化しようとしていることはまちがいない。ダイブコンピューターが大幅にのびた。三点セットの次はダイブコンピューターなどと言われるようになったのは、ダイブコンピューターのリストウォッチ化だろう。ダイブコンピューターの紛失(僕の場合)もリストウォッチ化に原因があり、更に売上があがる。全員がそれぞれ、別のデザイン別の仕組みのダイブコンピューターを持って潜水すれば、それは、パーソナル化であり、 ダイブコンピューターはパーソナル、テーブルはグループ、チームへの計画と指示と考えるとわかりやすい。 作業ダイバーへの指示は、最大水深で定めるテーブル。 そして、テーブルは、レクリエーショナルダイビングでは、マルチレベルのものを使わないと、それぞれのパーソナルダイブコンピューターと整合しにくい。計画だから、個々と整合しないことで安全度が高くなる、ダイブコンピューターは最後の安全停止を見るための計器と割り切ってしまえば、それまでだが、今村さんの書かれたものなどを見ると、この割り切りが、ある日減圧症の原因になるように読める。ダイブコンピューターの安全な使い方をめざすならば、マルチレベルでの計画が良いように思う。
すなわち、この前に書いたように、マルチレベルでプランを考えていれば、ダイブコンピューターの使い方も理想に近くなるのではないか。
では、マルチレベルのテーブルとは、どんなものかというと、1995年まで遡らないとマニュアルがない。PADIのエンサイクロペディアにも詳しい説明があるが、斜め読みでは理解できなかった。(理解が遅くなっている。高齢のため、言い訳) これは1995年のJUDFのマニュアルで、僕が書いたのだが、当然、もう忘れている部分が多い。しかし、自分が書いたものは斜め読みでも記憶がよみがえる。
さがしたら、マルチレベルのスレートもあったが、これも使い方を忘れている。というより、1987年がダイブコンピューターの使い始めだから1995年にはもう、こんな面倒なことはしなかった。面倒なことはしなかったが、ダイブコンピューターについてのこのマニュアルの記述を見ると、「ファンダイビングを楽しむスポーツダイバーは、減圧表(最大水深)で計画し、計画を守って潜水すれば良い。マルチレベルで計算して、無減圧潜水時間を長くする必要はない。減圧コンピューターも不要である。」JUDF衰退の原因はこのあたりにあった?。これでは、ダイブコンピューターが売れなくなってしまう。 続けて「しかし、一日に何回も繰り返して潜水するガイドダイバーやインストラクターはダイブコンピューターを一度使ったら手放せなくなる。 ダイブコンピューターの長所はもう一つある。というより、減圧表の欠点は計算間違いすることである。忙しい現場であわただしく減圧表を使うととんでもない思い違いをしていることがある。ダイブコンピューターは計算違いや思い違いをしない。」 一日に何回も繰り返し潜水するインストラクターに減圧症の発症はあったと思うけれど、概ね、今の「潜水士テキスト」とイーブンだ。 さてマルチレベルだが、JUDFのマニュアルから、 「一回の潜水で、浮上するまでに二つ以上の異なった水深にとどまって潜水することをいう。DCIEMは、マルチレベルの無減圧潜水についても規定している。 ★DCIEMのマルチレベル潜水は、それぞれのレベルで無減圧であれば、総体的に無減圧であるという考えで組み立てられている。 ★三つのレベルで計画するとして、そのうちの一つのレベルで無減圧の限界を超えてしまえば、マルチレベル無減圧潜水は成立しなくなる。そのときは、三つのレベルでもっとも深いレベルで全部の時間を潜水したと見て、表を引いて減圧時間を決める。 ※潜水中にこんなことは実施不可能だから、最初から最大水深にしていればいい、というのが実用上の僕の意見だったが ※最深水深のテーブルを分割援用したものに過ぎないとも思っていた。
★潜降したら、まず一番深いレベルで活動し、次々と階段状に上がるようにレベルを設定する。 ★それぞれのレベルの水深差は6m以上とする、深度が30m以上の潜水では、階段の水深差を9mとする。 ★一番浅いレベルは3ー6mの浅い水深として、このレベルで少なくとも5分は滞底する。」 ※これは安全停止のような考えである。1995年には安全停止の概念はない。
これを実際におこなうためにJUDFはこんなスレートを作った。すなわち潜水計画のスレートである。 確かに安全性は優れているが、まず使えないと僕は判断した。それでもJUDFの指導員は偉くて、このスレートを使っていた。僕はすでのダイブコンピューターを使っていた。 ★裏面の潜水計画スレートは、今回の規則改正により必須となった潜水計画書に好適である。今であれば、スレートに鉛筆で書き込んでスマホで撮影しておけば保存されたことになる。
作業ダイバーはこのようなマルチレベルは使えない。マルチレベルはあくまでもレクリエーショナルダイビングのためのものだと思うが、レクリエーショナルダイビングでこんな苦労をしてまで無減圧の限界を広げることはないと、先に述べている。
ただ、このマルチレベルを理解しているとダイブコンピューターの使い方が安全になるのではないだろうか。1990年代はまだダイブコンピューターが普及していなかったから、ダイブコンピューターの使い方のマルチレベル的ガイダンスは作れなかった。
今であれば、作業ダイバー用、スポーツダイビング用などダイブコンピューターの使いかたマニュアルが容易にできるのではないだろうか。適切なテーブルを参照、簡略化してその上でダイブコンピューターを使うガイダンスをつくる。潜水士テキストでやってもらいたいのは、そういうことなのだ。これはテキストだから、別に規則を改定する必要もない。
このあたりの議論が現時点でもポイントになるのではないかとおもう。 ダイビングの楽しみ方についてもいろいろあって、計器飛行を楽しむように、ダイブコンピューターを見つめて潜るというのもありだけど、撮影とか何かに注意をとられて、はっと気がつくと24mに30分、最大水深テーブルならば、問題ないが、ダイブコンピューターでは、箱型潜水?それでも安全停止をしているのだから、大丈夫だろうと思うのだが、減圧症に弱い生理状態の人が10人に一人くらいはいるのだろう。もう、高齢のことは言うまい、と思っていたが、高齢もその一人に入るのだろうか。
次は潜水士テキストについてさらに、
by j-suga1
| 2016-05-30 15:32
| ダイビング運用
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