ようやく、濁りの海から、当り前の海に行くことができた。
それにしても、今の季節である。秋から冬のような、透明はのぞめない。
どんよりしている。
館山湾 某所の人工魚礁である。
高さが6m一辺が8mの小さな鋼鉄製の魚礁である。一昨年まで、毎月一回づつ追跡調査をしていた。それも終わり、予算がないのだが、自分の海中の家とも言える愛着がある。年に数回は訪れる。
魚礁は、イサキの稚魚、10cmサイズのイサキで覆われるようだ。
イサキの上方には、カンパチが群れていて、イサキの稚魚、5cmサイズを狙っている。
時々急降下してはイサキの群れに突入する。イサキは左右にさっと分かれる。獲られているのかどうかは見えない。目にも止まらない速さだ。
イサキ、カンパチと交錯するようにして、タカベの群れも動きまわる。タカベの群れは、魚礁の中にも入り込む。魚礁の中は、ネンブツダイで詰まっているが、キンギョハナダイ、カゴカキダイ、オオモンハタ、など、数えれば20種類ぐらいの魚が見られる。いつか、イザリウオ(カエルアンコウ)を探したら、10個体ほど見つけられた。
四隅には伊勢エビを集める砕石の部屋があり、伊勢エビも多い。
場所は秘密にしているのだが、漁業者は、知っている。最近タコつぼ漁で、つぼの代わりに使われている、籠が投げ込まれ、この籠には伊勢エビも入るので、伊勢エビはだいぶ減った。
水深も深くないのだが、レジャーダイバーのダイビングポイントになったら、数か月で、魚も伊勢エビも激減し、つまらないポイントになってしまうだろう。
西伊豆の土肥には、人工魚礁のポイントがある。前には何度も撮影させてもらったのだが、最近はご無沙汰してしまっている。真冬になると、沖の魚礁が解禁になるので、また行ってみようと思っている。
しかしながら、魚礁に魚が集まるのは、夏から秋にかけてであり、真冬は少ない。それでも土肥の沖魚礁には、イシダイが多いから、悪くはない。
そういえば、葉山の沖の天然礁にも、この2年ぐらい行っていない。どうなっているだろう。気がかりではある。