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2009年 02月 15日
奄美本島と加計呂間島(かけろましま)の間の大島海峡の中の小さな島、僕たちの滞在する油井といういう小さな部落の前にある油井小島でマベ貝の真珠養殖が行われていて、真珠養殖が専門分野であった白井さんはマベ貝の種苗生産の研究を依頼されていた。そのついでに奄大島全体の海底探検をしようという計画である。メンバーは白井さんと、ひとつ学年が上の橋本さん、そして僕の3人である。 白井先輩の研究していたマベ貝について書こうと、先輩の著書、「貝Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」を開いてみた。ところが、マベについての記述がないのだ。アコヤガイの仲間であり、真珠養殖に使用されている。ただそれだけだ。脱線、脱線している本だから、マベについて書くことはたくさんあるはずなのに、なぜか無い。 先輩の本を端から引っ張り出して見たら、「サンゴ礁への招待」という本に出ていた。 全部を引用することなど到底不可能、当時の奄美大島のこと全部が書かれている。 この本を見て、説明しよう。マベ貝は、日本のアコヤガイの中でもかけはなれた種類で、大きさは20cm以上ある。内部の美しい真珠光沢と色彩が特徴であり、世界で唯一の大きい半円真珠を作っている。半円、真珠は球だから、半球しか出来ないが、裏を白蝶貝などで裏打ちした半球は、ブローチなどに作られて、値打ちが高い。もしもこの貝で真円の真珠が作られたならば、どれほどの価値があるかわからない。奄美大島で採れる貝であるが、乱獲のために資源が尽きようとしていた。そこで、白井先輩が、苦心惨憺して、種苗生産を研究する。 研究をしていた場所が油井小島であり、光塚さんという養殖業の大家が経営していた。 光塚さんと白井さん 油井小島から毎朝、油井の部落まで、エンジン付の小船が迎えに来てくれる。しかし、潜るためにエンジン付の小船を使うわけには行かない。板付(いたつけ)と呼ばれている小さなカヌーを借りて使った。カヌーを漕ぐのはなかなか楽しく、カヌーで油井小島の周り、油井部落の前の浜、どこにでも出かけて、スキンダイビングで潜り、写真を撮った。 ニコンマリン 手作りのキャノンマリン 持っていった水中カメラは、日本光学から借りてきたニコンマリンと白井さん自作の箱型のハウジングで、これにはキャノンを入れた。 その頃、世界的に有名な水中スチルカメラは、オーストリア人で、クストーと並んで水中映画の製作で名前が通っているハンス・ハース(Hans Hass)がプロデュースしたローラーマリンだった。ハウジングはオーリングがあってこそ、水密が保たれるのだが、ローライマリンは、航空機用の機密材料であったオーリングが一般市場に出る前の製作でだから、オーリングを使っていない。それでいて水が入らなかったのは、ドイツの加工技術の高さである。白井さんが日本光学から借りてきたニコンマリンは、その後に売り出されるニコノスではなくて、ローラーマリンの水密の方法を真似たもので、当時最高級カメラだったニコンを入れるハウジングであった。 スクーバのボンベは、養殖場に一本だけある。小さなコンプレッサーも一台ある。このコンプレッサーで、10リッターのボンベに120気圧まで充填できるが、2時間かかる。しかし、たのみの綱のコンプレッサーは、あまり調子がよくなくて、すぐに息切れ状態になる。いつ止まってもおかしくない。一年上級の橋本先輩はすでに学校の潜水実習を終了しているので、アクアラングを使える。僕はアクアラング実習を経験していないから、息をこらえての素潜り専門だ。 息をこらえるダイビングに限っては、白井先輩よりも、橋本先輩よりも、私の方が上手であった。こんな僻地では素潜りはスクーバよりも強い。 カメラを手にして潜り、トゲトゲの大きなヒトデを見つけた。生物のことならば、なんでも知らないことのない白井先輩は、ただちにアカンサスターだと教えてくれた。アカンサスター、日本名オニヒトデだ。オニヒトデが、造礁サンゴを食い荒らして問題になるのは、随分時がたってから、沖縄が日本に返還され、海の中の景観が観光資源になるようになった後のことになる。この日に撮影したオニヒトデは、日本で撮影されたオニヒトデの写真として最初であろう。 その頃の水中撮影は、もちろんモノクロ撮影だが、とにかく写っていれば大成功だった。 白井先輩は、マベの研究が残っていたらしく、研究室にこもるが、僕と橋本さんは、研究は無いから、毎日、板付を漕ぎ出して、潜る。 サラサハタを見つけて撮影した。もちろん名前など知らない。とにかく得体の知れない美しい魚だと思った。 クマノミがイソギンチャクの中にいる。大きい親のクマノミから、小指の爪ほどの子供まで、ひとつのイソギンチャクに一緒にいる。家族で生活しているのだと思った。クマノミの稚魚は、プランクトンのように流されてゆき、どこか行き着く先のイソギンチャクに入るのだから、家族ではないのだが、それを知ったのは、東京にもどってから、見たもの、撮影したものについて、調べてからわかったことだ。その時は、この美しいクマノミも家族という社会があるのかと、感動した。 油井にもどってから、その場で現像タンクで現像する。ブラックバッグの中で現像タンクに巻き込んで現像して、定着する。 水中撮影で、何かが写っていて、像が現れれば大成功という時代だった。 これだけ撮れれば大成功だと思った。 残念ながら、キャノンマリンは、そのころの自作ハウジング共通の運命をたどり、僕が撮影している時に水没させてしまった。 それから、おそらく100台近くのカメラを水没させたが、その第一号だった。
by j-suga1
| 2009-02-15 14:31
| 旅行
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