大きなイセエビ礁10基は、底土のロイヤルホテルの沖に沈められている。写真で見ると大体の位置がわかる。
神湊港から赤間さんの船、明丸で出る。大きな良い船だ。これで赤間さんは漁もやる。漁で取った魚をお刺身にして食べさせてくれる。僕は食べなれない刺身を食べ過ぎて、下痢気味になった。
ここだと、言われた地点が、写真と少しちがうような気がした。しかし、写真は持って出てきていない。ここから岸に向かって泳いでゆくのだろうと想像した。
写真では、もう少しもっとロイヤルホテルに近いところだと思ったのだが、ボートからエントリーした。
エントリーしたメンバーは、女性四人を含む7人と、ガイドの清藤さん、潜水部28代の山越さんも一緒に潜ってくれる。沖から潜って岸に近づいて行く。しかし、どうもイセエビ礁がありそうな雰囲気ではない。途中で、ちょっと、見込みのありそうな場所もあったが、見つけられなかった。
レジャーダイバーを伴っての安全第一の探検隊だから、無理はできない。
あとで聞けば、エビ礁のあるあたりは、浅い根があるので、大きい赤間さんの船では、怖くて近寄れないということだった。
イセエビ礁だけが目的で来たのならば、もう一度粘るのだが、みんなを連れている。
低気圧の接近で朝から雨、次第に風も強くなってくる。船を島の反対側、風陰になるナズマドの近く、中のママというポイントで潜る。運よく、カメにとっては運悪く、カメは見つけられて、ダイバーと握手をさせられた。それでも、離してやった後、そんなにあせって逃げなかったから、それほど嫌ではなかったのかもしれない。
潜水が終わってお土産もの屋に行ったら、カメの剥製、鼈甲の剥製も売っていた。ワシントン条約はどこに行ったのだろう。
まあ、八丈は昔から亀の産地だから、良いのかな。
ガイドの清藤さんは、カメを掴んでさわったりしたことをあまりおおっぴらにしないで、などと言っていたが、はく製にされてしまうカメも居る。食べられてしまうカメもいるのだから、握手ぐらいは良いと思う。
あれほどの大事業だったエビ礁が位置も定かではなく忘れ去られている。
次の日の6日には、皆を帰してから僕とアシスタントとで探そうと思っていたのだが、天候が悪化してきた。それに赤間さんの船では大きすぎて接近できない。エビ漁をやっているようなカヌーを雇って出直したい。
ゴールデンウィークの八丈島ツアー、参加した皆は、楽しんでくれたし、イセエビ礁については一歩前進した。仕事ではないのだから、みんなの安全が第一だ。東京にもどる。次回のイセエビ礁捜索は、6月の初旬に予定する。