写真は企画書とは、あまり関係がない。リサーチダイビングで、魚礁の調査をした写真できれいなものをえらんだ。
企画で大事なことは、目的と目標である。
まず、目的と目標のちがいについて、定義しよう。
広辞苑といっても、デジタル辞書だが、見てみると。
目的:成し遂げようと目指す事柄、行為の目指すところ。意図している事柄
意志によってその実現が欲求され、行為の目標として、行為を規定し方向づけるもの。
目標:目的を達成するために設けためあて、目じるし。
目標とは、途中経過のめあてと考えられる。
また、目標とは、達成するべき数値を示す必要があると書いてある参考書も読んだ。これはわかりやすい。たとえば、年に100回は潜るとか、売上を1000万にするとか。しかし、ここでは数値目標ではなくて、やはりめあての要素が強い目標を想定しよう。
目的とは、なんのためにその行動をするかであろう。
例えば、ダイビングの目的は、水に潜ること、人間が水中に入ってゆくことである。安全は最重要だけれど、安全のために潜るわけではない。後述するけれど、ダイビングの目的は安全ではないと思い知らされるような経験をした。
それでは、安全は目標だろうか。
しかし、ダイビングの場合、事故は命を失う可能性が大きい、致死的な行動である。安全と目的は別立てにして、目的と安全を並立させると現実的になる。ダイビングそのものの目的と安全の二本足で立つ。どちらを軸足にするか、バランス感覚が必要だし、難しいが倒れないようにしよう。
なぜ水中に潜るのか、水に潜る目的が、楽しさであれば、それはレジャーダイビング、あるいはスポーツダイビングである。楽しさと同時に何か達成するべき目的があり、目標の追求を優先させるダイビングをリサーチダイビングと呼ぶことにする。
リサーチダイビングで追求する目的は、映像記録、学術的な研究、水産、環境などの調査、少し範囲を広げれば、環境保全などに関連するボランティア活動、生涯学習的な活動も含まれる。
経済的な収益は、目標の第一とも考えられるが、ここでは、二義的なことと考えよう。収益第一で考えたら、何もできなくなってしまう。
スクーバによる活動の指導や管理を行うスタッフ、具体的にはインストラクタやガイドダイバーの活動は、レジャーダイビングの指導、管理については、レジャーダイビングに含め、リサーチダイビングにかかわるものは、リサーチダイビングに含めることにする。
レジャーダイビングの指導は、収益を目的とした仕事であり、潜水士テキストの分類によれば、潜水業務になる。従事するダイバーにとってはレジャーではないが、レジャーダイビングの補助だから、レジャーダイビングに含める。
同じ人、同じダイバーが、あるときにはレジャーダイビングをやり、あるときはリサーチダイビングをする。
須賀も、リサーチダイビングで生計を立て、レジャーダイビングの指導を半ばボランティアで行って来た。
目的も違い、運用も違うダイビングを同一人が行うのだから、切り替えが適切に行われないと危険が生じる。リサーチダイビングのバディのつもりで、レジャーダイビングのお客を扱って、危ない思いをさせた経験が何度かある。
リサーチダイビングでは、残圧が無くなるまで、水中で仕事をすることが多々ある。レジャーダイビングでは、できれば、残圧50、すくなくとも30では、水面に戻らなければいけない。マニュアルと線引きが必要とされる所以である。