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2009年 06月 29日
蟹かご漁の船は小さい。ケージを載せると漁の妨げになりそうだ。私としてはケージは要らないのだが、舞台装置として必要だ。ずいぶん波が高い。そして船の幅が狭いのでよくゆれる。自慢ではないが船酔いに弱い。プラシーボ効果だとは知っているのだが、船酔いの薬を飲む。これでもう船酔いにはならない。自己暗示をかける。 予定の日程が大幅にオーバーしてしまったので、同行していた陸上撮影クルーは日本に帰ってしまった。今日からは現地のカメラマンが参加する。けっこうなオジサンカメラマンで、明らかに愛人、もしくは奥さんか、やはり愛人だろうと思われる色気のある女性がアシスタントでついて来ている。 蟹篭漁師はお父さんと息子、そして年配の乗り子三人だ。蟹篭の引き上げ、餌の付け替え、獲った蟹のメスは全部海にもどす。手際よく作業が進められる。シャークケージは篭上げポイントに到着と同時に海に投げ込んである。 すぐにサメが浮き上がってきた。池の鯉に餌をやっているようなものだ。2m大のものは居るが、3m級は居ない。 とにかく水に入ってサメを撮影する。餌を食べている状態では、ダイバーを気にするそぶりは見せないが、近づいてアップを撮ろうとすると避けられてしまう。しかし、何度か接近を試しているうちに慣れてきた。そのうちに大きい奴も現れた。 サメはしっかり撮れた。しかし、それだけでは駄目なのだ。サメが泳いでいるだけだ。サメに復讐しなければならない。 傷のアメリカ人が、ポップガンを持ってきてくれることになった。散弾銃のカートリッジが銛の先に取り付けてあるサメ殺しの道具で、日本では火薬取締り法に触れるので作ることも使うことも出来ない。宮内君は、ポップガンを使いたがっているが、間違って後ろから撃たれたら即死だからお願いしてやめてもらった。 勝手にサメを射ち殺してもらっても何にもならない。傷のアメリカ人が潜り、カメラがサメを捉えて移動してゆくところを追いすがって撃たなければならない。なかなかうまく行かない。あまり時間をかけているとサメが散ってしまう。 ようやくいいタイミングでサメがカメラに向かってきた。上から打ち下ろすように引き絞られた銛がはなされ、頭に命中した。こつんと音がした。ただそれだけだ。火薬が不発だったのだ。長い間使わなかったので不発だったのだろうか。サメはそのまま私の足元に向かってきてフィンに噛み付こうとした。つい、本能的に足を引っ込めてしまった。噛み付こうとした口は空振りした。フィンの先端を噛み付かせてやればよかったのだ。しかし、とにかくその一連の動きはカメラに収めた。 ポップガンが不発で申し訳なかったので、明日は機関銃をもってくると傷のアメリカ人は提案した。 次の日、持って来た機関銃は、大きい。機関銃というよりは機関砲だ。 宮内君が腰だめで銃を構える。一人では反動で持ちこたえられないので、アメリカ人が支える。浮いてきたサメに向かって撃った。大きな音と、ものすごい水しぶきだ。水しぶきは漁船の屋根を越えた。海水が漁船の屋根の上に乗って撮影していたアメリカ人カメラマンのカメラを直撃した。カメラはおそらくオーバーホールが必要だろう。このカメラマンと付いてくる色気の女性にはあまり好感をもっていなかったので、気の毒には思わなかった。 傷のアメリカ人は、明日はバズーカ砲を持ってくると言いだした。この人は一体何なのだ。どうせ、ここまで来たら、もうやけくそだ。バズーカも良いんじゃないかと僕は思った。MR.数字の監督は、ニコッとしたが、頼まなかった。 漁師の息子さんの方は18歳くらい。本当に感じの良い若者で、日本のことを聞きたいなどと話しかけてくる。蟹の餌にまみれて臭いけれど、ハンサムだ。仕事はとてつもなく辛いけれど収入は良いそうだ。聞いてみると、私の収入よりも良い。ハワイの漁師は豊かだ。 戻ってきた港で、迎えの車の連絡が悪く、2時間近く待たされた。シャワーを浴び、さっぱりしたシャツに着替えて、臭かった若者が港にやってきた。ちょっとしたカウンターバーがあり、私たちはそこで時間をつぶしていたのだ。ここはまた若者たちの溜まり場らしい。 白い棉のワンピースを着たとてもきれいな顔立ちで日焼けした娘が後から入ってきた。息子のガールフレンドで、ちょっと抱き合ってカウンターに腰をおろした。若い男の子と女の子が二人で仲良くしているのを見るのは、私としてはあまり好きではない。面映いのだ。でもここではちがった。二人をずっと見ていたいような気持だ。 これでもう私がハワイでできることはもう無い。 しかし、ミスター数字監督は、これでは満足しない。彼の頭の中にあるサメは、グレートホワイトシャークなのだ。ハワイ沖に出現したサメがなんであろうとも、ワイキキの浜辺でジョーズのストーリーを展開しなければならない。 プロデューサー氏は、私に気を使ってくれた。がんばってくれて申し訳ないけれど、これからサンフランシスコにグレートホワイトシャークの映像を買いに行くと告げた。 アル・ギディングという僕も知っているカメラマンがグレートホワイトの映像を持っている。そこに買いに行く。 オンエアーされた。ハワイで撮った宮内君のシャークケージ越しの緊張した表情に切り替えして買ってきたグレートホワイトシャークの映像が重なった。シャークケージのデザインはまったくちがうものなのだがそんなことは問題ではない。 視聴率は悪くなかった。これを見た友達は言った。すごい映像だったね。良く撮れたね。 すごいと言ったのは、ハワイのカミカゼと言われながら私の撮った、タイガーシャークでもなく、フィンに噛みついてきたレモンシャークでもなく、買ってきたグレートホワイトシャークの映像のことだ。 ミスター数字の勝ちだった。 でも、私の気分は悪くは無かった。まあ、世の中、そんなものだ。 こんな話ばかり、16集めて、本にしたらどうだろう。
by j-suga1
| 2009-06-29 12:03
| 旅行
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