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2010年 02月 07日
2月7日、日曜日
まだ海には行けない。マニュアルを書き続けている。こんなに厳しい、めんどうな基準なんて、だれも使ってくれないだろうなどと思いながら書く。しかし、賠償責任保険が無く、事故があって訴えられても、防御が出来る基準とマニュアルを作ろうとすると、こうなる。それでも穴がある。 しかし、基準もマニュアルも約束事である。 ダイビングの実際は、何でもありだ。その代わりに何があっても自分の責任だ。緩やかな分だけ、もしもがあったら、保険に頼ろう。保険は、死んだダイバーがもらえるわけではない。その家族のものだ。 本当に何でもありなのだ。PADIとNAUIを並べて売っていて、同じ講習で、修了するとどっちが良いですかと選ばせるところもある。あるいは、ショップにいくつかの団体のインストラクターが居て、その担当者の所属する団体のカードをだす。これならば納得はするけれど、それでは、そのショップの講習はいったい何なのだ。 所詮はいい加減だから、理想を追い求めようと気を取り直して、またマニュアルにもどる。 1976年、今、JPの代表をしている竜崎君と「スポーツダイビング入門」という本を書いた。 大学の潜水部の後輩である黒川治雄君が社長をしているマリン企画、今は休刊になってしまったダイビングワールド誌を出していた出版社から、黒川君の依頼で書いた。 この本は、米国のNOAAのダイビングマニュアルのスタイルで書いた。 単行本なのに、後ろの方に雑誌並みに後ろの方に、ダイビングショップや器材メーカーの広告を思いっきり載せている。僕の原稿料は変な風に値切られた。それに広告を沢山載せた。この本も版を重ねた。今僕が持っているのは第5刷だ。 内容もだけれど、今この本を見ると、広告の部分が面白い。1976年なのに、今老舗で残っているダイビングショップが軒並みに広告をだしている。 何よりも広告で特筆するのは、新宿のドウ・スポーツプラザだ。新宿で一番目の高層ビル、住友三角ビルの地下に、水深10mのダイビング専用プールを作ってしまったのだ。そして、水深5m部分は大きな水槽のような窓になっていて、窓越しに、この広告のような姿が見られた。 スキンダイビングコース12時間(6日間)、スクーバコース24時間(12日間):45000円 で、申し込み者が多くて、ウエイティングになった。6日間のスキンダイビングコースでは、最終的には10mまで潜れるようになった。 このプールは出来たときは、PADIをやっていた椎名勝巳(赤沢でバリアフリーをやっている)が校長だったが、僕と共著でこの本を出す頃は、二代目の校長として、竜崎さんに代わっていた。PADI潜水指導協会も、当初は椎名さんが代表だったが、後に竜崎が代表になった。 この本は、復習テストとして、章の切れ目に○×式の問題を出している。その中の一問。 「深く潜水するダイバーにとって、バランシングベストは便利な道具であるが、水深20mまでは、圧力の相対的変化が大きすぎるので、初心者が使用することはすすめられない。」 ○か×か?初心者は浅いところではBCDをつけることはすすめられないといっているのだ。 この本ではこれは○、初心者はBCDを使ってはいけないと考えられていたのだ。 スクーバダイビングで初心者にとって何よりもおそろしいのは、肺の圧外傷だ。水に慣れていない初心者が急浮上すると、いとも簡単に死んでしまう。BCDに空気が入った状態で浮上を始めたら、BCDの空気が膨張して、急浮上になってしまう。だから危ないと考えられていた。 それでも次第にBCDが普及するようになると、BCDは着けても良いけれど、浮上するときは空気を抜いて、フィンキックで浮上するように指導した。 1990年頃まで、そのように教えられた人が居るはずだ。 1976年、まだその頃は、BCD.を着けないで潜っていた スポーツダイビング入門 ・アマゾンで調べたら、4999円だった。 それにしても、新宿住友三角ビルの凋落には、驚く、関東学生潜水連盟のOBパーティがこの三角ビルであった。たぶん2008年だったと思う。 ちょうど、そのころ、新宿のドウ・スポーツプラザがクローズした。もう、ずいぶん前に、深さ10mのプールは埋められてしまっていた。ウエイティングがでるほどの繁盛も次第にお客が少なくなり、冬などは、10mプールを暖める燃料代が出ないので、ダイビング講習は夏だけになり、やがて10mプールは埋められ、そして、施設そのものがクローズになった。 昔、この超高層ビルの地下のショッピング街は、いつも賑わっていた。紀伊国屋書店もあったのだた、紀伊国屋もとっくに通りを隔てビルに移転し、全部の店にシャッターが降りていた。 今、2010年、どうなっているのだろうか。ネットで調べたら、平和祈念展示資料館があり、その上の方のレストラン街は健在のようだ。
by j-suga1
| 2010-02-07 15:15
| 旅行
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Comments(1)
Commented
by
井上敦
at 2021-10-02 00:33
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書かれてから大分時間が経ってますが…
いまはなきdoで竜崎さんが校長の時に講習を受けました まさにこの広告みてましたね〜 もうあれから44年経つんかと思うと感慨深いです
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