昨日、宮が瀬ダムに潜水調査に行った。
新緑だし、良い景色だろうと予想して行ったのだが、今ひとつだった。
やはり、人工のダムだからか?
水温は21度 水中は良かった。もっとも、水中に潜っている分には、いつでもどこでも楽しく、良い気分なのだが。
名物らしい、「皿そば」を食べた。これも今ひとつだった。
あまりにも速く、自分をとりまく周辺が流れて行き、自分の処理能力を越えている。やはり、歳だと愚痴を言う。ダイバーのピークは50-60歳だなどと書いたけれど、その頃も、自分は身体が弱いからなどと、愚痴を言っていたような記憶がある。
いっぱいいっぱいの中でブログを書くのが、さらにいっぱいいっぱいだと愚痴を言うのだが、何故か、ブログを見てくれている人が、急上昇している。水中科学協会のことを書いているからだろうか。それならば、今の僕の一番中心の仕事だから、喜ばなくてはいけない。
理事の一人、環境調査会社の代表、彼の名刺には、船長と書いてある。夢の島マリーナにビーグル二世という小さな調査ボートを繋いでいて、その船長という意味なのだろう。社長は奥さんだから、まあそんなものだ。その彼の会社で、コーヒーをごちそうになりながら、60代の頭、103mのダイビングを終えたあと、沖縄に移住することを考えていた。良い仕事もあったし、友人も多い。出来なかったのは、キャリア官僚になった子供の教育のためだった。それに自分の会社、スガ・マリンメカニックもアンカーになっていたし、出来なかったと、これも愚痴風に言うと、沖縄に行っていたら、水中科学協会は出来なかったから、そのように運命が導いているのだと、言ってくれる。
もしも、そうだとすれば、後しばらくは死ねない。
DANの機関誌、「Alert Diver」 どうもこのタイトルが好きではないのだが、真野先生の巻頭の挨拶で、僕がSAIシンポジュウム(学生のための安全シンポジュウム)で話したこと、「ダイビングというスポーツは、他人と戦うスポーツではなくて、自分自身と戦うスポーツであり、勝ち負けで言うならば、無事に帰還して初めて勝ちであり、負けとはすなわち、死をいみします。ダイビングは1000回戦ったら、1000勝0敗はあっても、998勝2敗は無い。一敗すなわちすべての終わりである。」と言ったことを引用していただいている。僕がまだ読んでいないうちに、twitter で知らせてくれた友だちがいる。顔を見たこともないのだが、リストの友だちに分類している。兎とくらしているおもしろい女性ダイバーだ。(haneta317)
今回の「Alert Diver」は、河合先生の「海で突然死しないためのダイバー必修医学」が大きなスペースを占めていて、これも、若い社員を減圧中の突然死で失って、河合先生をダイビング仲間に引き込んだことが遠因になっている。
ところで、これまで僕は40代の頃から、負けを意識してその日その日を生きて来たが、運の良さに恵まれて、55年間、おそらく5500勝(年間100勝ちとして)0敗である。しかし、最後の1敗だけは避けられない。このまま水中から引退すれば、0敗のままで畳の上で死ねる。しかし、海で最後の1敗をしたい。その負け方が問題である。人に迷惑をかける形で負けるわけには行かない。それに水中科学協会のためにも、今は敗けられない。