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2012年 05月 07日
さて、潜水する前に、メンバーの紹介。
ダイビングとは何なのだろうか、ダイバーとは何なのだ、いつも考え続けている。考え続けるから、時々刻々変化もする。僕は、非常にシンプルだ。ダイビングのことしか考えないし、ダイビングに関連することしかしないからダイバーである。 同行のメンバーのことを考えて見る。理論天文学のホープとして、東大教授になった小久保君はどうだろうか。ダイビングは単なる趣味、だろうか。彼が大学一年生の時に、海洋調査探検部の新入生として僕がコーチでダイビングを教え、やがて、上級生になり、さらに、たしか博士コースあたりでインストラクターになってもらって、探検部のコーチ、やがて監督的なことを引き受けている。世界中、どこへ行くときも、海があれば潜る。以前、情熱大陸という番組で、彼のダイビングが紹介されたことがあり、僕も顔を出してしゃべった。「ダイバーとは、生涯、ダイビングをやめない人、プロフェッショナルとは、ダイビングをやめては生きて行けない人をいう。」そんなことをしゃべった。しかし、その後、「ダイビング・水中活動の基本用語」を編集して、やはり社会的には、プロとは、それで生計をたてている人という要素が強いと思うようになった。だから、僕はプロダイバーだが、彼はプロダイバーではない。しかし、彼もダイビングが出来る限りにおいてはやめないから、ダイバーだ。 看護科学のもう少しで博士の黒田はどうだろう。彼女は、多分、生涯ダイビングを続けるだろう。 その黒田だが、話題がアナフィラキシーになった時、「私なら、呼吸を確保するために喉を切ります。」確信的にいう。彼女は東大病院の救急看護士のチーフだった。看護のプロである。 石川さんは、彼が20代前半、僕が30代で出会った時、彼がダイビングのクラブをやりたいと相談をうけた。僕はその時のことを忘れているけれど、彼は何時も言う。僕が、一言のもとに「やめなさい。なんだかわからない人をメンバーにして、死んだらどうするんですか。」と言ったそうだ。それから40年の歳月が流れた。アルバトロスというクラブの会長を続けていて、今では僕の相棒だ。これから年金生活にはいるので、ダイビングに専念するそうだ。もちろんダイバーである。 細田さん、黒沢さん、広田さん についてはわからないが、多分、三人とも道が尽きるところまでダイビングをするだろう。 これは、僕の視点だ。 帰ってから、黒沢さんからメールをいただいた。黒沢さんの視点だ。 「先日は悪天候の中、お疲れ様でした。 先生に係わる全ての皆さんのお陰で、 私も幸せのご相伴に預かることができました。 耳をダンボにして皆さんの会話を聞いているうち、 うっかり写真を撮るのを忘れていました。 小久保さんにしろ黒田さんにしろ石川さんにしろ、 先生に向ける眼差しの優しさ、暖かさ、信頼感…。 いいショットが沢山あったのに、ぶしつけに撮ったら 失礼かとも思い、遠慮してしまいました。 今思えば、開き直って皆さんの写真を勝手に 撮らせていただきます、と宣言をしちゃえば良かったんですね。 本当に悔しい思いをしています。 楽しい数日にお誘い下さってありがとうございました。 また機会があれば是非お供させてください。」 客観的な視点から見ると、僕たちの人間関係は、そういうことなのだ。僕はみんなに守られていて、僕もみんなを守っている。後期高齢者(本当に嫌な言葉だが生物学的事実)となり、守られている比率が高くなっている。アメリカンフットボールのQB.だって、ラインに守られている。と考えてプライドを維持する。が、プロのダイバーとしては、自分で自分を守りきりたい。自分で自分を守りきることもダイバーとしての資格である。60歳を記念して100m潜った時、80歳までプロのダイバーとして潜ると決めた。僕の最後の最大の冒険だと思った。あと3年で80歳になる。最後の冒険かどうかは、わからなくなってきた。
by j-suga1
| 2012-05-07 09:11
| 旅行
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