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2013年 07月 15日
7月10日(水曜日)
月刊ダイバーのグラフィティがそろそろ締切だ。書きだしただけでストップしている。何とか、航海中に書き上げなくてはならない。 伊予灘、中島町 沖の孤島 潜水開始1125 浮上1217 潜水時間52分 最大水深 6.9m 平均水深4.4m 水温21.6℃ 小さな島の陰にアンカーを入れた。それでも流れがある。50mの巻尺では、深い斜面の位置まで届かない。昨日流されたことから今日は、必ずアンカーの位置から潜水するように打ち合わせた。多種多様な海藻の生えている藻場で、全員、位置関係を確認できながら潜水できたので、特別のことも無く潜水を終了した。 今日は二回潜水する。常日頃は午前、午後、各1本の潜水が普通になっているが、今回の豊潮丸は一日に一回しか潜水できていない。一日1回の潜水に慣れてしまったのだろうか、二回目は身体が重い。 瀬戸内海の航海は、景色は素晴らしいが、流れがいつもあり、神経を使っている。あと一日、明日11日に午前中の潜水があり、広島に帰港して荷物整理、送り出して、夕方の新幹線で東京に戻る。忙しい。 周防大島町、小水無瀬島(こみなせ島) 潜水開始 1532 浮上1613 潜水時間41分 最大水深18.9m 平均水深14.0m 水温20.4℃ 透視度は5-8m 毎度何回か潜っている。アンカーを入れる場所は流れが無く、すぐに急深になっている。潜りやすい。僕の記憶が間違っていて、ラインを曳いてラインから離れて横に移動しようとしたが、中尾先生は場所を覚えていたので巻尺ラインを持ったまま、伸ばして横に移動する。僕の記憶が定かでなかったために、少し時間をロスした。久しぶりの潜水らしい潜水だ。 豊潮丸のコンプレッサーは、原則として120kしか充填しない。移動の途中で船員さんが詰めてくれるので、エアーチャージに長い時間はとれない。 水深18mの目当ての岩に到着した時は、僕の残圧は70、中尾先生は80、海綿の宝庫のような場所だ。採集する対象を撮影し、ナイフで切り取り、1種類ずつビニール袋に詰める。僕もビニール袋に詰める作業を手伝う。町田君も同じ位置で採集する。酒井先生たちのチームは少し上に居て採集している。3種類ぐらい採集したら残圧は50になった。中尾先生は熱くなって採集していると思う。僕の残圧が30になったらもどろう。水深18mから50mの巻尺を巻き取りながらもどる。残圧10でゴムボートのアンカーに戻れるだろう。 30で、戻る合図をする、中尾先生は指を一本立てて、あと一種類、写真を撮って、採集を手伝って、とにかく戻る。残圧の余裕はない。急いで巻き尺を巻く。後20あるから楽に戻れる。もちろん安全停止などしている余裕はない。あれはレクリエーショナルダイビングの手順だ。途中で、酒井先生チームと一緒になり、一緒に戻る。体験ダイビング君は、上手になり安定して酒井先生のサポートが出来ている。石川さんの安全監視がなければ潜らせられないが、とにかく北大の二人は、上手になった。 ボートに戻って残圧は予定通りに10キロ。中尾先生と町田を置いて一人で浮上したので、気になって振り返るが、残圧10では、待つしかない。やがて二人はボートの下まで戻ってきて、石を返して裏側を見ている。僕も残圧10で、3mに潜って、彼らに参加する。空気が渋くなったので、浮き上がる。BCに空気を入れようとしても入らない。ちょうど迎えのエンジンゴムボートが到着し、ゴムボートに上がる。僕は一回目の潜水でエントリーする時にひねって、右足の太ももの内側が痛い。BCなしの立ち泳ぎはややつらい。タンクをウエイトをあげてもらって、ゴムボートに上がろうとするが、引き上げてもらはないと上がれない。 この航海で、初めてダイビングらしいダイビングをした。天気がよく、太陽が輝き瀬戸内海のしまなみが美しい。 だいたい、残圧10で、ゴムボートに戻る。(流れのある時には、50で戻り、30で浮上するようにしたい、ができない。)流れがあり、透視度が悪い瀬戸内海などでは、ゴムボートからの行動半径は50mの巻尺ラインの届く範囲にする。安全停止なし、潜降索と巻尺ラインをたよる。絶対に一人にはしない。これが僕の豊潮丸でのリサーチダイビング、ローカルルールだ。とんでもない潜水をすると思われるだろうか。しかし、この環境、この設備、この状況で研究者の目標を達成しつつ安全を確保するのはこれしかない。ローカルルールをきちんとしておくこと、とても大事なことだ。リサーチダイビングというとき、リサーチとは探検のことだ。道なき道を行くのだから、一般ルールは適用されないことがある。目的、目標、使える道具、用意できる道具、予想できる環境、参加するメンバーの身体能力、技能などに合わせルールを作る。試行錯誤を重ねて、改善し確立する。僕がこの豊潮丸の航海に参加してたしか6年になる。最初に参加した時は、ゴムボートなし、巻き尺ラインなしだった。空気の充填圧は、今と同じに120キロだった。安全停止は空気に余裕のある時だけでいい。減圧症では死なないが、水中で空気が無くなれば死ぬ。 ダイビングサービスに空気とボートとガイドのサポートを頼めるようなときには、普通のファンダイビングなみのダイビングをする。安全停止は守る。
by j-suga1
| 2013-07-15 09:21
| 旅行
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