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2015年 09月 06日
今度の宿毛での潜水、失敗が二つあった。一つは忘れ物で、今度の忘れ物はマスクだった。
マスクは忘れてはいけないものだと、心に命じている。30日の日曜日、お台場で潜水した。今のお台場での僕のカメラシステムは、ウエアラブルカメラをライトステイに付け、手首にニコンAWだから、マスクマウントはつかっていない。だから、宿毛に他の機材と一緒にマスクマウントのマスクを送ってもよかった。宿毛では、マスクマウントを使うと決めていた。宿毛ではウエアラブルカメラをマスクマウントにして、ハンズフリーにするよていだった。ニコンは手首に巻き付けるが、その手は普通に使える。 お台場で使って、31日は手持ちでマスクだけはもって行こうと決めていた。それで、忘れた。 忘れることもあるので、送った機材にもマスクをいれておいた。この送ったマスクがいいかげんだったのだ。どうせスペアだからと、適当な、その辺にあったものをバッグに放り込んだ。 現在、僕が使っているマスク、すなわち、水が入ってこないマスクは、ダイブウエイズのラクーン、これが一番信頼できるのだが、マスクの上縁の構造が脆弱でマスクマウントにできない。新型のダイブウエイズのマスク(アイアイ)は、マスクを顔に合わせたサイズを選択できるので、まず大丈夫でこれをトップに使っている。スペアがマンティスで、これは、まずまず、大丈夫でマスクマウントがついている。実はこのマンティスをスペアを送ったつもりになっていたのだ。マスクを忘れたのも、スペアのマンティスがあるから大丈夫とおもっていた心の緩みか。そして、ボートの上でトランクを開けてみれば、入っていたのがマンティスではなかった。 仕方がないから、GoProは左手に持ち、右手手首をニコン、にした。これは、これでよい。中尾先生が珍しく動画をリクエストしたから、マスクマウントでも、撮るときはマスクからはずして手で撮るのだから、手持ちでしっかり撮ろう。 もう一つの失敗は、ウエイト調整だ。これもいつものしっぱい。ウエットスーツでお台場では5キロで潜っている。水深1mで水平でバランスする。3m潜るとBC.にツータッチする。森田のところは、アルミタンクだからプラス2キロするのが常識だ。しかし、目指す平均水深は8mだから、プラス1キロの6キロでよいのではないか。と6キロにした。 やはり1キロ軽かった。水深5mで静止できない。中尾先生も町田も潜っていってしまう。後の森田にSOSをした。多分1キロの予備をもっているだろう。ガイドの常識だ。 持っていない。初心者を相手にしているつもりではない。 石を2個拾ってきてくれた。片手に持つと何とか行ける。石をもっている片手にGoProを持ち、右手にニコン。 マスクに水が入ってきた。手が1本足りない。マスクの水を抜きながら、BC.に石を移す余裕が無く、そのまま中尾先生を追って、撮影する。 僕がこんなことをしているなんて、と、いつも思う。 流れがあったら、危ない。初心者の事故は、こんなパターンで起きる。その場所、そのサービスでの第一回目のダイビングはいつも要注意だ。 森田が撮影している僕の横に来て、BC.のポケットに石を入れてくれた。 マスクの浸水だが、よく、顔に当てて、鼻から息を吸い込んで、顔に吸いつけば良いなどという。僕もそのように教えられ、1980年代までは、自分の本にそんなことを書いていた。本当に、そのころまでは、この程度のテストで大丈夫だった。今では、こんなことではだめだ。マスクが変わったのだろうか、自分の顔が変形したのだろうか、とにかく、だめだ。プールで使ってみて決める他ない。 中尾先生と知り合うきっかけになった。若い研究者、山下君の事故は、買ったばかりのマスクが顔に合わなくての浸水が引き金になった。 彼は、マスククリアーができなかったようなことも言われたが、そんなことはない。その時にあわてて浮上するか、とにかく着底して、マスクの縁を調べ、なんとか顔に合わせて水の浸入を止めるかだが、彼は浮上してしまった。 ついせんだっての館山で、すでに使い込んだ、自分のマスクなのに、浸水がとまらず、ダイビングの前半、10分ほど、水抜きをしながら、撮影していた。やがて、何とか落ち着いて浸水も止まる。そんなものだ。 ダイバーにとって、フィンは、足がはいればなんとかなる。レギュレーターは、吸って空気がくればいい。BC.もなんとかだませる。マスクが一番困る。だから、大事にしなければいけないと、50年前から書いたり言ったりしている。 ウエイトのバランスも同じことで、60年前からおなじようなことをしている。 毎日潜っているか、その場所、そのスタイルの潜水の2回目になれば、問題はすべてクリアーしている。その機材、その場所、その水深での初回には少し重くして、2回目で減らしていく。 ブランクダイバーなどと言われるが、昨日お台場で潜っていて、今日、宿毛で機材を替えて潜れば、場所と道具が変わっていれば、立派なブランクダイバーだ。 外見だけは繕って、やるべきこと、やるべき仕事はするけれど、外見の内側は、だれでもそんなものではないだろうか。初心者、タンクの本数で50本以内のダイバー、本当のブランク、一年に一度程度のダイバーであれば、そんなとき、小さい事故になるだろう。そして、小さいトラブルは重なれば、大きな事故の引き金になる。その時に急流だったとか。 もっとも、流れは怖いから早く沈んでしまおうと、さらに1キロ加えるが。流れの或るときに最短で沈むとバディがついてこられないで、後で問題になる。潜降索がなく、流れの速いところでは潜らないようにする。 今後、マスクのスペアは、ダイブウエイズのラクーンにしておこう。 ウエイトは、たとえ立ち上がるのに難儀でも、その場所の初回は、2キロ重くしよう。 マスクについて ラクーン、おそらく自分の周囲では一番良いマスクだが、フレームが、僕の乱暴な使い方に耐えられないで、割れてしまう。このマスクがマンティスのような堅牢なフレームに改良すればベストなのだが。このマスクを造った頃、僕はダイブウエイズの製品のネーミングをアドバイスしていた。このマスクは「マーリン:海鷲」とした。マーリンとマリンの違いが分かりにくいとかで、ラクーン (アライグマ)になってしまった。 マンティス、今はもう売っていない旧型でラバーのマスクだ。3回に1回程度、エントリーした直ぐに水が入る。両手でなおさなければならない。世界的なベストセラーで、これを造るときに鬼怒川のアドバイザーをしていた。要するに、こんなのではだめだとか、これは良いとか、ここをなおせとかアドバイスしていた。僕がアドバイザーで亡くなってから、改悪(高価化)の方向に進んでいる。自分のマンティスは古い型だ。 アイアイ、ダイブウエイズの新しいマスクで、僕のトップのマスクで、とてもいいが、今度こそ精悍なネーミングとおもっていたら、アイアイになった。これも熊の類か、猿の類だ。その人の顔に合わせて、何種類かのうちから選択できる。だから、選択を間違えると浸水する。どんな人の顔にでも、一つの型で合うのが理想だろう。ダイブウエイズの武田社長は、マスクデザインでは、他の追従を許さないのだから、ラクーンをもう少し精悍にして、ぶつかっても壊れなくして、名前も変えたらいいと思う。 もうひとつ、スキンダイビング用に、スフェラを使っている。ガラスの曲面で目が回るが、あえて外観にこだわっているところが良い。
by j-suga1
| 2015-09-06 11:56
| ダイビング運用
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