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2017年 11月 16日
11月13日。 久根津(油井)を出航して、東に向かう。 奄美大島は本島と加計呂麻島に分かれていて、その分かれている海峡が瀬戸内だ。相当風が吹いても、瀬戸内内は静かだ。ただ、その両端はうねりが入ってきている時があり、そのポイントは潜れない。反対側に場所を移す。海峡の両端がダイビングポイントとして良いところがあり、咋12日は西側の出口の両側を潜った。 今日は海峡東側出口の、加計呂麻側の安脚場、本島側の喜鉄にもぐる。
まず一回目のダイビングが安脚場西、ここは潜ったことがあって、たしか中尾先生が目当ての海綿を採集したところだ。期待が大きい。 うねりは入っていないが流れがある。館山ほどのことはないが、今回、一緒になっているもう一つのグループ女性二人組と男性一人、彼らが先にエントリーしたので、上から見下ろす。女性の一人、せっせと泳いだがあまり進まないので、ヘッドファーストで潜り込んで行った。このグループはかなり上手だ。
僕もヘッドファーストかなと思ったが、ボートを止めているブイロープ、潜降索が艫の梯子の前にあり、ロープで繋がっている。これにつかまり、手繰って降りようと考えた。 飛び込んで、索を手繰って,8mほどのところでロープにつかまって待っていたが誰も降りてこない。町田は、途中まで降りてヘッドファーストで流される方向に降りてしまった。流れに乗って追いかけるとすぐに巨大な岩があり、流れを遮っている。だから、流されてもここで止れる。 昨日に比べて大きな岩が入り組んでいて海綿は多い。 大きな岩のトンネルを向こう側に抜けると、大きなハマサンゴの群落がある。大きな岩とほぼ同じくらいの大きさだ。そのサンゴまで行かないで、手前の大きな岩で採集する。 昨日に比べて採集点数が多い。少し期待が持てる。
マスクマウントのアタッチメントを忘れてきてしまったために撮影が出来ない。要所で手持ちで撮れば、とやっているけれど、要所では手を使うから撮れない。撮影が目的の潜水ではないのだから、問題ない、とは思うものの、マスクマウントでの撮影が身についてしまっているので、ちょっとつらい。撮影の結果は惨憺たるものだった。カメラを構えないで撮影するから、ほとんどのスチルは流れてしまう。
浮上の頃には流れがゆるやかになっていた。 潜水開始 11時16分 最大水深13.4m 潜水時間53分 水温25度
二本目のダイビング、安脚場の対岸、本島側の喜鉄、黒崎に潜る。ここは始めて潜る場所かも知れない。後でログを調べよう。 砂浜の沖にポイントブイがあるが、潜れば良い岩礁がある。海底から、複雑な形状の大きな岩が立ち上がっていて、海綿の着く陰が多い。 町田が採集した海綿を種類毎にパックに詰めて僕が手に持つ、大きな採集バッグを持てば良いのだが、僕はこのチームの中で、カメラを持ち、バッグを持たない形になってしまっている。町田が採集したパックが次々と増える、カメラのステイを肘にひっかけて、両手でパックに採集した海綿を詰めつつ、いくつものパックを持つ、という手が4本状態だが、パックが4袋が限界だ。鈴木の大袋に入れたいが離れてしまっている。町田を促して、中尾組の方に行く。大きいバッグが一つというのも、グループが離れないためには、良いかも知れない。 空気が80を切ったので、そろそろ戻る方向だ。太田さんが、こちらの動きをだいたい読んでくれている。 ふと、水面を見るとボートの影がうっすらと見える。良い位置に戻ってきてくれている。ここならば30まで大丈夫だ。 町田と僕の空気消費の差は、終了に近くなって30だ。僕が30ならば町田は60だ。中尾先生との差は20だ。悲しいかな僕の消費が一番多い。 太田さんが深く切れ込んだ岩の下で良い海綿を見つけた。町田が採集する。その向こうを見ると、岩の形が良くて、チョウチョウウオが数種類、これも悲しいかな種類を忘れつつある。スミツキトノサマダイとなんだっけ、ミスジチョウチョウウオか、コショウダイの類の名は忘れている。岩の重なりが写真的に良いので行こうか、やめて岩陰から外にでる。ボートを探して上を見上げるが見あたらない。
太田さんに合図を送ると戻るリードをしてくれる。意外に離れていた。戻る途中で記念撮影をしてくれる。彼は町田の方向へ戻り、僕は浮上する。セフテイストップは、しないでそのまま上がる、最大水深15mで潜水時間50分、二本目の潜水だ。もちろんDECOマークはでていない。自分の感覚ではOK。潜水時間の大部分、採集は、水深10m以下でやっている。僕の60年のダイビング生活で、その50年ぐらいの期間、水深10m以下ならが減圧停止はしなくても良い時代だった。減圧症の歴史は面白い。
全員無事に上がって、戻る。この場所は今回の4回の潜水では一番良かった。目的のものが採れたか、中尾先生に訊く、首を横に振る。新しい種類はいくつか採れたらしい。一緒に潜水しだして、もちろん、それ以前もあるだろうが、だいたい3000種類以上だという。
僕たちのダイビングは、これで終わり、別の3人組は、別のガイドでもう一本やる。まだ時間は早いし中尾先生は少し未練があるかも知れない。しかし、さっきのような浮上でも大丈夫なのは、2本までかも知れない。僕は原則としてこのチームでは2本だ。このあたりは判断が難しいところだ。水深が浅くて3回以上の潜水と、深くて1-2本の潜水と、どちらが減圧症になりやすいかと言えば、浅い方だ、というのが常識になりつつある。
潜水開始1時12分 最大15.8m 潜水時間50分 水温25度
太田さんのハウスで、採集した標本の整理。僕はオフだ。 キジトラの猫が、興味を持ったらしく遊びに来た。ここの猫だ。猫の研究?をしている僕としては、友達になりたい。 外で飼っている。外飼いの猫だ。外飼いの方が、飼い主以外の人、たとえば僕に対して、なつく。ダイビングサービスの猫は、だいたいこのスタイルで、お客と遊んでくれ、人気がある。猫としてもこれが幸せなのだろうと思う。あ、猫を飼うと言ってはいけないのかな、猫と暮らす、のだ。どっちでも良いけど。 しかし、奄美の猫は全部外飼いかというと、そんなことは無いらしく、ここでも、捨て猫、そして野良になって捕殺の問題がある。奄美では野猫が、稀少生物で人気のあるアマミノクロウサギを襲ったりしてしまうから、より深刻かもしれない。家の周辺に限定して、なるべくならば室内飼いが奨励されてはいる。 必ず登録して、首輪を着けなければいけない。 太田さんが記念撮影をしてくれた。僕はこの写真がとても気に入っている。
喜鉄の宿で、もう少し良いオカヤドカリの撮影がしたい。眼をはっきりと撮りたい。ヤドカリのチャームポイントは眼なのだ。食事の後で撮影にでたが、すぐに雨が降ってきてしまって戻ってきた。不満足だが眼は撮れた。このヤドカリはムラサキオカヤドカリ、これも希少種だ。
11月14日 さて、奄美に来たら、鶏飯を食べないわけには行かない。港屋だ。それほどにこだわっているのに、僕が道をまちがえてしまった。 が、とにかくたどり着いて港屋で食べた。中尾先生のフェイスブックで、奇しくも3年前の同じ日に、港屋で食べていることがわかった。おいしかった。
by j-suga1
| 2017-11-16 13:12
| 旅行
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